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スタインウェイピアノ 販売・調律・オーバーホール

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コラム

ピアノの音

 「良く鳴るピアノ」何度か耳にしたことがある方も多いと思いますが、私も今までに何度も言ったことがあります。しかし、「良く鳴る」・「良い音」については、それぞれ人によって感じ方や好みが違います。
 「良く鳴る」という表現は、大きい音量が出る場合に使われていることが多ようですが、音量の感じ方にも人それぞれで違いがあります。どのような場合に大きな音量を感じるかを考えた場合、大別すると2つの捉え方(感じ方)があるように思えます。ひとつはピアノ全体が大きく鳴っている場合、もうひとつはハンマーが弦を打った時の衝撃が力強く、弦を打ったその部分(近く)が鳴っている場合と、大きく2つの感じ方があります。これは私が今までにお仕事をさせて頂いた演奏者の方、関わったピアノ技術者との経験から感じていることです。
 私は音がピアノ全体から鳴り、コンサートホールではそのピアノから発する音がホール全体のどの席にも弱い音から強い音が伝わる状態を「良く鳴る」と考えています。弱い音についても、ピアノが鳴っていないと伝わらない、聞こえないと考えています。この場合、弾く側(椅子に座って鳴らす側)での音の感じ方、聞き方、捉えかたは、目の前のピアノから音だけを感じているのではなく、音を発している空間全体から感じています。  もうひとつの「良く鳴る」ですが、これは弾く側での音の感じ方、捉えかたは目の前のピアノからだけ感じて、音を発している空間の音は感じていないように思われます。
 どちらも、一人でピアノを弾く、鳴らす場合は良いのかもしれませんが、コンサートホールで聴衆に向かって発する場合、アンサンブル等他のメンバーと音楽をする場合はどうでしょうか。その場合、私は前者の方が良いのではないかと考えています。  前者で良いと感じるように調整されたピアノは、後者の感覚で弾くと良いと感じませんし、逆の場合後者で良い場合は前者で良いと感じません。コンサートホール等不特定多数の方が利用するピアノの場合は、どちらの場合でも満足できる調整状態にしなくてはなりませんが、完全にどちらも満足する状態は不可能です。  音色についてですが、これについても好みが分かれます。クリアーで明るく金属的な音が好みの方もいれば、柔らかい音が好みの方もいます。音に色々な要素が含まれているのが好みの方もいれば、あまり複雑ではない純粋な音が好みの方もいます。以前の記事でも書きましたが、重要なことは演奏者の表現を実現する状態にすることで、ピアノ技術者はその基準については多くの経験を重ねて見出す必要があります。
 音の鳴り方と音色について触れましたが、音色よりも音の鳴り方「発声」の違いが音色の違いにも繋がり、我々ピアノ技術者の場合では調律・音の調整の仕上がりの違いとなります。この「発声」、私達日本人の言語や生活環境の影響もあるのでしょうか。
 このテーマは私にとってとても重要なテーマです。書きたいことはたくさんありますが、解りにくくならないように今後も触れていきたいと思います。